『いくら背伸びをしてみても 相変わらず地球はじっくり回ってる。 今自分に出来ることを ひたすらに流されずにやってみよう。』 “少年” by ゆず
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TICADⅣを終えて 「これから何が変わるのか?」
2008-06-04 Wed 01:56
先日、無事TICADⅣが横浜宣言を採択し閉幕しました。

備忘録も兼ねて感想を少し。

横浜宣言および行動計画をざっと読んだ限りでは、日本の外交政策が良くも悪くも反映されているなぁとの印象を受けました。

今回はこれまでのTICADとは異なり、従来の国際的な援助潮流である貧困削減からは少し距離を置いて、アフリカの経済成長に力点を置いたあたりが、なんとも最近の日本外交らしいです。それに加えて、クールアース推進構想がちゃっかり反映されてるのもポイントでしょう。

以下セクション別にコメント。


①経済成長重視路線について

国際社会が「貧困削減」一辺倒に傾倒している中で、アフリカの経済成長に力点を置くという発想自体は悪くないと思います。経済成長が貧困削減を牽引するという側面は見落とされがちですから。またアフリカ諸国を単なる援助の受け手と捉えるのではなく、ビジネスパートナーとして捉えようという試みも非常に良いと思います。

ただ、個人的にはいまいち中途半端な印象を受けます。いっそもっと踏み込んで、グローバル経済の中で生き残っていくためにアフリカの地域的な経済統合に向けた支援を行う!と、そこまで言っちゃうのもアリだったでしょう。あるいは逆に、貧困削減を含む人間開発アプローチとの整合性を意識した内容に踏み込んでいっても良かったかもしれません。

どちらもチャレンジングな内容ですが今のアフリカに必要なことだと個人的には思います。
このTICADⅣという場でどちらかが合意できたら面白かっただろうなー。
(この両者を1つの政治文書の中で両方言及するのは不可能ではないでしょうが、非常に困難でしょうねw)

そういう意味では実際に採択された横浜行動計画は少々ダイナミクスが欠けている感じがします。
経済成長にはインフラ整備その他が重要だ!っていうのは正論ですが、参加したアフリカ諸国はそんなことは言われなくても当然分かってます。どちらかと言うと、その前提に立った上で、

「そのインフラ整備その他は何のためにどうやってやればいいのか?」

っていうことに関して議論できればもっと有意義だったんじゃないでしょーか。
まぁあまり突っ込んで議論しないあたり、無難さに定評のある日本外交らしいといえばらしいのですが。


②MDGsについて

横浜行動計画ではわざわざ一章をMDGsに関する記述に費やしていますが、その内容は既存の国際合意をなぞってばっかりで、中身が乏しいと評価せざるを得ません。既存の合意を想起することの意義を否定するつもりはありません。が、MDGsの達成期限の2015年の折り返し地点である2008年の国際会議で、これまでのレビューもせず、これからの展望も示さないっていうのはちょっと酷い気がします。(MDGsを達成しようとする観点からは)

ただ目新しい内容として、コミュニティ開発の役割と課題について言及している点は大きく評価できると思います。またコミュニティ開発を取り上げる理由として人間の安全保障を挙げていることも注目です。ここではいわゆるボトム・アップアプローチを多分に意識していると思われます。人間の安全保障についてはまだまだ国際的な議論不足な感がありますが、日本政府としては先に実例を積み重ねていくことで実証していこうという狙いがあるんでしょうね。


③平和の定着とグッドガバナンスについて

ここもあんまり目新しい内容はありません。従来からの取り組みの継続の他はどこかで見たような文章ばっかり。もっともこの分野は日本の得意な分野ではない(蓄積された知識が余りない分野)ので仕方ないかとも思います。


④環境問題について

日本のクールアース構想がそのまんま反映されてますね。あとは洪水対策とかいろいろ。持続可能な開発のための教育(ESD)も言及されてますがオマケ扱いですね。
つーかESDを政策としてきちんとやっていく意思がある国ってあるんだろーか?
音頭を取っている日本でさえ政策にうまく反映させられてないのにね。良く分からん。


⑤パートナーシップについて

これもなー・・・。TICADは最初からパートナーシップの確立って謳っているけど、実際には話が全然進んでないんじゃないかと俺は感じてます。南南協力の促進とか、特に。これだけ非DAC国によるODAが話題になってるのに南南協力の話を全然進めないっていうのはどーなのよ。まぁ確かに「TICAD」だからこその面子があるのかもしれないけどさー。うーん。



その他雑感

今回からTICADはフォローアップのメカニズムを導入するみたいですね。上記の内容で何をどうフォローアップするのかイマイチよく分かりませんが。個人的には、環境問題とパートナーシップの話がこれからどう転がっていくかに興味があります。

それから日本の援助増額についてー。基本的にはいいことだと思いますが本当に約束を守れるか心配です。本当に増額するなら日本のODAもかなりアフリカ向けにシフトすることになりますが、それを実施するだけの能力がJICA及び開発コンサル&関連企業にあるのかちょい疑問。まぁ政治も行政も民間もがんばって欲しいものです。

しかし一国の国益がここまで露骨に成果文書に反映される国際会議を見たのは初めてです。
アフリカ諸国からすればODAがもらえるから文句はないのでしょーが、それにしてもすごい。いや外交的には悪いことだとも思いませんが。
国際機関とかNGOの人たちはコレをどう評価してるんでしょうね?気になります。
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「顔の見える援助」って何なんだろう?
2008-02-08 Fri 21:19
今日ODA・プラント輸出便覧の2007年度版を読んでてそんなことを思った。

この資料の中では、昨今の日本のODAの受注者に占める日本企業の比率が低下していることに対する問題意識が何度も提示されてました。
詳細は省きますが、「調達の一部をタイド化するべきだ」、とか「JICSにもっと調達監理をさせるべきだ」、みたいな主張がなされていました。

それらの中で「二国間無償のスキームで国際機関に委託するのはいかがなものか?」という点のみはなんとなく共感できましたが、他はいまいち共感できませんでした。

だって、日本企業の受注率が下がってるのは外国企業の方が相対的に優れているからじゃないの???
それにタイドからアンタイドへの意向は国際的な潮流だし、妥当性もあるのにそれに逆行すればOECDでまた叩かれるのが目に見えてるのに…

スローガンとして「顔の見える援助」という言葉をよく聞きます。この資料の中でも何回も出てくる言葉です。
誰も説明してくれませんが、意図としては、日本人がODAの現場で働くことによって日本に対するイメージを良くしようということなんでしょう。

もちろんこのことは特別非難されるようなことではなく、ODAの効果のひとつとして認められて当然のこと。

しかし、それが現在の効率と結果を最重視する現在の手法と相性が悪いことは間違いないです。
現在では外国企業の方が、より低コストでより高いパフォーマンスを発揮している傾向があるので、日本企業が淘汰されてしまいますから。

まぁそこら辺が日本企業としては面白くないのでしょう。

しかし開発援助を行う中で、途上国の事情よりも自国(というか会社)の事情を優先しようとする考え方はさすがに時代錯誤なんじゃないでしょうか。

「顔の見える援助」という言葉は、産業界が市場の変化に対応する企業努力を怠るための言い訳のように僕には聞こえて仕方ありません。

んー、あんまり調達監理については詳しくないので散文になってしまいました。
このテーマについては、援助行政についてもう少し勉強して、他国との比較も交えながらまた考えてみたいです。
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JICA世銀共催セミナー「ネットワークの可能性:グローバル社会における科学技術と高等教育支援」の感想
2008-02-03 Sun 01:11
昨日(2月1日)、JICAと世銀のセミナーに参加してきました。
ネットワークの可能性:グローバル社会における科学技術と高等教育支援

 途上国の発展のために科学技術をどう利用していこうか、またそれに際して高等教育にどのような支援をしていけば良いのか?という問題意識を基にしてプレゼンとパネルディスカッションが行われました。

 前々から途上国の高等教育というテーマ興味はあったものの、ほぼ予備知識ゼロで臨んだところ散々な結果に・・・まぁテーマが非常にマニアックだったから当然といえば当然の結果ですが(苦笑)少しくらい予習してから行けばよかったなぁ。

 以下今回理解できたことを簡単にまとめてみます。


 と、その前に今回のテーマの背景について少々補足。

 90年にジョムティエン会議で万人のための教育宣言が採択されて以来、途上国の初等教育への援助はこれまで一貫して増加してきた。人間開発、人間の安全保障、持続可能な開発といった概念のメインストリーム化もあり、途上国の初等教育をめぐる状況はかなり改善したと言っても良いだろう。
 (とは言っても2015年までに全ての国でMDGsを達成するのはかなり困難な状況となっているが)

 さて、では途上国の高等教育をめぐる状況はどうなっているかと言うと、はっきり言って問題が山積している。まず初等中等教育が拡充されたことで高等教育へのニーズは爆発的に増加したが、これに大学の受け入れ能力の拡大が追いついていない。また教育の質の面でも、近年のグローバル化、情報化の進展によりそれに対応できる人材が求められているが、そのような需要に十分に(あるいはほとんど)こたえられていないのが現状である。またITの導入や研究設備(特に自然科学分野において)の更新も多額の費用がかかるため滞っている。
 2000年代に至るまで、初等教育向けの援助が増額された反動を受けて、高等教育向けの援助は減額ないし横ばいの傾向にあった。しかしながら、ユネスコや世銀が相次いで途上国の高等教育の重要性を強調したレポートを発表したこともあり、最近では高等教育向け援助の重要性が再評価されつつある。
 
 
 ・・・とまぁ、こういう文脈の中で今回のセミナーは、開催されたワケです。今回のセミナーでは、科学技術をどう発展に生かすか(例えばどうやってイノベーションを起こすか、とか)ということよりは、どう途上国の高等教育を支援するのかということに、議論の比重が置かれていたような気がします。で、気を取り直して以下学んだこと。


①途上国における高等教育の発展には大学間の国際的なネットワークが重要である
 まぁこれは途上国に限った話でもなさそうですが・・・。なんでネットワークが重要になってくるかと言うと、ネットワークを通じて教員や学生の交換留学や共同研究を行うことで、途上国の大学の人的資源が改善されるからです。初等中等教育とは異なり、高等教育はその発展が人的資源の善悪に左右される側面が大きいです。つまりどれだけ立派な教育・研究設備を整えていても、それを扱う人間に能力がなければ無用の長物になるってことです。
 それで、どうやって能力のある人間を手に入れるかというと、やはり他所から引っ張ってくるか、他所で鍛えてもらうしかするしかないんですよね。他の開発分野と違って、闇雲にお金をつぎ込めばなんとかなるって問題じゃないんです。

②大学間のネットワークで重要なのは、適切なシステム、十分な予算、そして長期的な視野、である
 まずシステムについて。ここでポイントになるのはネットワークを構築する上で、全ての大学がメリットを享受できるようにし、お互いにwin-winの関係を構築すること。途上国側としては一方的な頭脳流出に終わるリスクがあり、先進国側としては一方的な協力を強いられるリスクがある。こうした様々なリスクを勘案した上で、バランスの取れた関係を構築していくことが重要なようです。
 次に予算について。やはり人を派遣したり共同研究をしたりするにはコストがかかります。先進国の大学ならともかく、途上国の大学にとってはこのコストが大きな負担となります。ここが一番援助機関による協力の役割が大きいです。ただフリーライドをする大学が現れないように慎重な判断が必要になってくるでしょうね。
 最期に長期的視野について。こうしたネットワークが機能し、成果を挙げるまでにはかなりの時間がかかります。それを最初から考慮しておくことと、最初からネットワークのヴィジョンや目的を明らかにしておくことが重要だそうです。

③今後の課題について
 まず国際的な大学間ネットワークが増加していく中でネットワーク間の協力をどのように進めていくのかということが一つ。それから現在の人の往来は学士レベルに集中しているので、これをどうやって修士博士課程にも拡大していくのかということが一つ。これぐらいしか理解できなかったorz


以上。全体的に専門的かつ具体的な話ばっかりでクソ難しかった。しかもプレゼンも資料もけっこー英語だった(通訳はいたがかなり下手糞だった)のでマジ疲れた。


最期に個人的な感想。
今のところは自然科学分野におけるネットワークが多いようだけれども、社会科学分野におけるネットワーク構築もどんどん進めていったら良いんじゃないかなぁ。平和構築とかNPMとかいったアプローチがどんどん主流になってくる中で、途上国側の人材を成長させること、それから先進国側のフィールドワークや地域研究を充実させることの意味はとても大きいと思う。

それからどうでも良いが、知り合いの先生いわく今週は教育開発ウィークらしい(笑)
6日のJEFⅤに合わせて(?)内外の研究者・実務者が集まるから集中的にイベントがあるようです。
うん、ほんとにどーでもいいな。

JEFⅤのレポも書きますよ~♪

ではでは今日はこのへんで。
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はじめてのしゅーかつ
2007-08-29 Wed 22:35
学部3年生らしく、昨日、今日とリクナビ主催の就活フェアに行ってきました。
休学していたため本格的な就活は来年やることになるのですが、
早めに知っておいて損することはないと思うので、色々調べたり、自己分析してたりします。

さて、というわけで行ってきました東京ビッグサイト!
日本の三大オタク聖地の一つですね(違)
あそこら辺に行くのは初めてだったのですが近未来的な建築物がたくさんあって驚きました。時々忘れるけど21世紀なんですよねぇ、もう。

全体的な印象は、就活の初期らしく参加者も参加企業も生ぬるい雰囲気。
ちらほら聞こえてくる他の参加者の話や質問は能天気そのものだったし、企業の担当者も気合の入った人は少なかったように思いました。

二日間で三井住友銀行、鹿島、朝日新聞社、バンダイ、野村総研、リクルート、三菱UFJ不動産、マクロミル、スターツ、合計9社の話を聞いてきました。
ちなみに個人的に話が聞けて良かった、面白かったと感じたのは鹿島、バンダイ、リクルートの三社。行って後悔したのは三菱UFJ不動産とスターツ。空気がヌル過ぎ。高校生じゃないんだからもっと内容のある企画にして欲しかった。

鹿島(つーかゼネコン全部)は今まで全然興味がなかったけど、話を聞いて興味が湧いてきた。
今まで気付かなかったけど、インフラやビル等のハコを作り上げるのって、経済効果や社会への影響を考えると、実は凄い仕事だと思う。というかそれ以前に単純に巨大な建築物を作ること自体が凄い仕事だとも思う。
それに鹿島が打ち出してる3つのヴィジョンにも結構心を動かされた。
①環境問題への取り組み(自然エネルギー発電とか)
②高い技術力を生かしたグローバルな貢献(途上国でも業務を受注してる)
③更なる技術力の向上(超高層建築とか)
実情がどうなってるのか知らないので手放しで評価はできないけれども、ヴィジョンとしてそういうことを設定するのは素敵だなぁと思いましたし、何より個人的にツボでした。
だって海上風力発電とかアフリカで高速道路作るとか高さ800mの超高層ビル建設計画とかマジで燃える(笑)

バンダイは人事の人と30分くらい話せたのでめっちゃ面白かったです。
少子高齢化の時代でおもちゃメーカーとしてどうやって生き残って行くのか?とか、
商品化を前提としたアニメ・特撮の企画が増え、コンテンツ自体が劣化している現状をどう思うか?とか、
色々好き勝手に聞いてきました。
人事担当(しかも若い)ゆえに至らない点もあったけれど長年(?)の疑問がある程度解消できたので嬉しかったです。
ちなみに前者の質問には「バンダイは玩具メーカーではなく、総合エンターテイメント企業。ナムコとの統合もそれを強化するため。『楽しい時を作る企業、バンダイ』というキャッチに全ては現れている」との回答。納得。
後者の質問には「そのことは社内でも認識されている。現在対策を考案中」とのこと。もうちょっと具体的にどんなプランがあるのか聞きたかったなぁ。

リクルートは、「さすがリクルート」って印象でした。
今までどんな企業なのか分からないけど、すごい企業らしいってことしか知らなかったけど、おぼろげながらに概要は理解できたよーな気がする。
自称「総合情報サービス企業」or「ブランドコミュニケーション企業」
とにかく社員の意欲がすごい高くて、常に全力投球してるイメージ。
たかが就活フェアだけど、多くの社員が今やっている仕事、自分が将来やりたい仕事に対して明確なヴィジョンを持っていたように感じた。
業務内容にそれほど興味があるわけでもないのに、なんとなくここで働いてみたいかも、なんて思ってしまった。
でも今の俺にはあんまり向いてないだろうなぁ(苦笑)
必要な情報を集めるアンテナを展開し続ける能力、常に流されず問題意識を持ち続ける能力、
リクルートのようにコミュニケーションをぶっ通し続けて仕事をするために必要な能力だと思うけど、今の俺には欠けているもの。
日常生活でもうちょっと意識しながら改善していかなきゃなぁ、と久々に体感させられた。


今の段階では興味も分野もてんでバラバラ。
やりたいことは幾つもある、けど選択は慎重にやらないとなぁ。
転職するのは割りと簡単だけどキャリアを積み重ねていくのは難しい。

ま、時間はあるので調べながら考えて、色々経験して、また調べて考えていきたいと思ってます。
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TVアニメ コードギアス反逆のルルーシュレビュー
2007-08-17 Fri 18:03
こっそり更新再開。
先日放映された同アニメ最終話を見てどうしても書きたくなったから、それだけ。

早速レビューに入りますが、本作は中々変わったアニメだと思います。
全話を通して視聴して感じられた本作のテーマは以下の2つです。

①他を理解しようとしない人間の怠慢さと傲慢さの提示
②極めて少数の人間の、極めて私的な理由により振り回される世界(あるいは日本)への警鐘と皮肉

結論から言うと、本作は無敵超人ザンボット3や伝説巨神イデオンのように悲観的な世界を描こうとしていたのだと思います。ただ、本作がザンボット等の欝アニメと異なるのは、世界の描写が直接的ではなく間接的である点です。
この点に注意しながら①、②それぞれ説明していきたいと思います。

・・・え、その前に本作のストーリーが分からないだって?
そんなのは各々Wikipediaその他で調べておくれ。
すごくかいつまんで説明すると、「母親を殺された少年が復讐のため、そしてその事件の時に障害を負ってしまった妹のために戦う」って、そんな感じ。

①について
本作における人間観は極めて悲観的である。

一般的なアニメにおいては、登場人物は他人との衝突や自らの失敗や成功を通じて精神的に成長していく場合が多い。しかしながら本作においては、そういった描写はほとんど見られない。本作の登場人物たちは、異なる意見を持つ他者に対して理解を示すことはなく、ただ否定して自分の考えを押し付けるか、あるいは完全に無視している。このプロセスの中には当然アンチテーゼやアウフヘーベンという過程は存在せず、コミュニケーションの断絶と停滞があるのみである。そのため、登場人物たちは初回登場時から最終話に至るまで、ほとんどその考えを変えることはなく、精神的な成長もほとんど見られない。
(例.主人公のルルーシュは、初期の段階で目的のためには手段を選ばず他人を自分の駒として扱う、という描写がなされているが、結局この不道徳的な性質は最終話まで変化することはなかった。)

また本作のもう一つの大きな特徴として、人権や民主主義といった近代社会思想の成果を完全に無視していることが挙げられる。具体的には人種差別、人命軽視、帝国主義的価値観の描写が特に多かったように思われる。本作の登場人物の大半は、差別主義者かもしくは極端な能力主義者(他人の経歴や人格自体に興味がない)のどちらかである。またジェノサイドや殺人の描写も通常では考えられないほど多い(23話がその最たる例である、殺人を行うキャラに躊躇や苦悩が感じられないのも注目すべき点である)。そして本作において帝国主義的な「ブリタニア」が世界各地の植民地化を進め、民主的な「ヨーロッパ連合」が腐敗している、と述べられているのも興味深い。ただこの極端な時代錯誤な描写に関しては、製作サイドが「旧日本植民地の台湾・朝鮮や連合軍占領下の日本を参考にしている」と発言していることもあり意図的なものと思われる。


②について
このアニメの中の世界(と呼ぶよりは日本と呼ぶべきかも)は、極めて少数の人間(のしかも私的な理由)により左右される。その意味では本作も所謂「セカイ系」の作品としてカテゴリーされ得るであろう。

本作の主人公ルルーシュは反政府組織のリーダーなのであるが、そのじつ、母親を殺した皇帝への復讐の妹の安全確保しか考えておらず、民族独立や人間の尊厳を守るといったことには全く興味を持っていない。「行政特区日本設立(実際に意味するのは帝国への恭順)」に賛同しかけたり、最終話で不利になった反政府軍を見捨てて誘拐された妹を助けに行くという言動、加えて「民族独立は復讐の一つの結果に過ぎない」という趣旨の発言をしたことを見ればこれは明らかである。

また主人公の親友であるスザクはブリタニア帝国を内部から変革しようと口では言っているものの、そのじつ、どのように変革するのかという点については全く考えていない(少なくともそういった描写は無かった)。作中で他のキャラに「自分の行為(スザクは占領前の戦争時に総理大臣である実の父を殺害した)を償うため死に場所を探しているだけ」と指摘された通り、彼もおそらく何も考えていないのだろう。そういう意味で、スザクはルルーシュと同類とみなすことができる。

二人ともロクに考えて無いくせに才能だけはあって、世界(日本)の情勢を大きく動かしているのがなんとも滑稽である。
もっとも、ブッシュJrやアフリカの独裁者達の様に現実世界の政治家達が一体どれだけ深く考えているのか、という疑問もあるのだが。


本作が他の所謂「欝アニメ」と異なるのは、こうした現状に対して、キャラクターが疑問を抱いたり苦悩したり絶望したりする描写がほとんどない点である。主人公のルルーシュはもちろんのこと、一話限りのモブキャラに及ぶまで、どこまでも自己本位で思考停止している様子が描かれている。その様は、さながらツッコミの存在しないボケだけの漫才が続くようであり、ある意味シュールで滑稽な光景である。

ここまで読んで分かるだろうが、本作は、視聴者からすれば、キャラクターへの共感(念を押すが萌えや燃えなどではない)が困難で、ストーリーへの感情移入がし辛いことこの上ない作品である。だがここまで首尾一貫していることを考えると、①や②を強調するために製作者はあえて視聴者を突き放しているのではないかと考えられる。


と、まぁレビューはこんな感じ。
ぐだぐだと長文を書いたけど、はっきり言って俺は面白くなかったです。上記した通り感情移入はできないし、時代錯誤かつ残酷な描写が多かったので、好きになれるわけないです。
・・・まぁ作画が良かったのは認めますが。
本作は続編が製作される予定らしいが、どうなることやら。
まだ書きたいことはあるけどまとまらないので今日はこのへんで。

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