『いくら背伸びをしてみても 相変わらず地球はじっくり回ってる。 今自分に出来ることを ひたすらに流されずにやってみよう。』 “少年” by ゆず
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TVアニメ コードギアス反逆のルルーシュレビュー
2007-08-17 Fri 18:03
こっそり更新再開。
先日放映された同アニメ最終話を見てどうしても書きたくなったから、それだけ。

早速レビューに入りますが、本作は中々変わったアニメだと思います。
全話を通して視聴して感じられた本作のテーマは以下の2つです。

①他を理解しようとしない人間の怠慢さと傲慢さの提示
②極めて少数の人間の、極めて私的な理由により振り回される世界(あるいは日本)への警鐘と皮肉

結論から言うと、本作は無敵超人ザンボット3や伝説巨神イデオンのように悲観的な世界を描こうとしていたのだと思います。ただ、本作がザンボット等の欝アニメと異なるのは、世界の描写が直接的ではなく間接的である点です。
この点に注意しながら①、②それぞれ説明していきたいと思います。

・・・え、その前に本作のストーリーが分からないだって?
そんなのは各々Wikipediaその他で調べておくれ。
すごくかいつまんで説明すると、「母親を殺された少年が復讐のため、そしてその事件の時に障害を負ってしまった妹のために戦う」って、そんな感じ。

①について
本作における人間観は極めて悲観的である。

一般的なアニメにおいては、登場人物は他人との衝突や自らの失敗や成功を通じて精神的に成長していく場合が多い。しかしながら本作においては、そういった描写はほとんど見られない。本作の登場人物たちは、異なる意見を持つ他者に対して理解を示すことはなく、ただ否定して自分の考えを押し付けるか、あるいは完全に無視している。このプロセスの中には当然アンチテーゼやアウフヘーベンという過程は存在せず、コミュニケーションの断絶と停滞があるのみである。そのため、登場人物たちは初回登場時から最終話に至るまで、ほとんどその考えを変えることはなく、精神的な成長もほとんど見られない。
(例.主人公のルルーシュは、初期の段階で目的のためには手段を選ばず他人を自分の駒として扱う、という描写がなされているが、結局この不道徳的な性質は最終話まで変化することはなかった。)

また本作のもう一つの大きな特徴として、人権や民主主義といった近代社会思想の成果を完全に無視していることが挙げられる。具体的には人種差別、人命軽視、帝国主義的価値観の描写が特に多かったように思われる。本作の登場人物の大半は、差別主義者かもしくは極端な能力主義者(他人の経歴や人格自体に興味がない)のどちらかである。またジェノサイドや殺人の描写も通常では考えられないほど多い(23話がその最たる例である、殺人を行うキャラに躊躇や苦悩が感じられないのも注目すべき点である)。そして本作において帝国主義的な「ブリタニア」が世界各地の植民地化を進め、民主的な「ヨーロッパ連合」が腐敗している、と述べられているのも興味深い。ただこの極端な時代錯誤な描写に関しては、製作サイドが「旧日本植民地の台湾・朝鮮や連合軍占領下の日本を参考にしている」と発言していることもあり意図的なものと思われる。


②について
このアニメの中の世界(と呼ぶよりは日本と呼ぶべきかも)は、極めて少数の人間(のしかも私的な理由)により左右される。その意味では本作も所謂「セカイ系」の作品としてカテゴリーされ得るであろう。

本作の主人公ルルーシュは反政府組織のリーダーなのであるが、そのじつ、母親を殺した皇帝への復讐の妹の安全確保しか考えておらず、民族独立や人間の尊厳を守るといったことには全く興味を持っていない。「行政特区日本設立(実際に意味するのは帝国への恭順)」に賛同しかけたり、最終話で不利になった反政府軍を見捨てて誘拐された妹を助けに行くという言動、加えて「民族独立は復讐の一つの結果に過ぎない」という趣旨の発言をしたことを見ればこれは明らかである。

また主人公の親友であるスザクはブリタニア帝国を内部から変革しようと口では言っているものの、そのじつ、どのように変革するのかという点については全く考えていない(少なくともそういった描写は無かった)。作中で他のキャラに「自分の行為(スザクは占領前の戦争時に総理大臣である実の父を殺害した)を償うため死に場所を探しているだけ」と指摘された通り、彼もおそらく何も考えていないのだろう。そういう意味で、スザクはルルーシュと同類とみなすことができる。

二人ともロクに考えて無いくせに才能だけはあって、世界(日本)の情勢を大きく動かしているのがなんとも滑稽である。
もっとも、ブッシュJrやアフリカの独裁者達の様に現実世界の政治家達が一体どれだけ深く考えているのか、という疑問もあるのだが。


本作が他の所謂「欝アニメ」と異なるのは、こうした現状に対して、キャラクターが疑問を抱いたり苦悩したり絶望したりする描写がほとんどない点である。主人公のルルーシュはもちろんのこと、一話限りのモブキャラに及ぶまで、どこまでも自己本位で思考停止している様子が描かれている。その様は、さながらツッコミの存在しないボケだけの漫才が続くようであり、ある意味シュールで滑稽な光景である。

ここまで読んで分かるだろうが、本作は、視聴者からすれば、キャラクターへの共感(念を押すが萌えや燃えなどではない)が困難で、ストーリーへの感情移入がし辛いことこの上ない作品である。だがここまで首尾一貫していることを考えると、①や②を強調するために製作者はあえて視聴者を突き放しているのではないかと考えられる。


と、まぁレビューはこんな感じ。
ぐだぐだと長文を書いたけど、はっきり言って俺は面白くなかったです。上記した通り感情移入はできないし、時代錯誤かつ残酷な描写が多かったので、好きになれるわけないです。
・・・まぁ作画が良かったのは認めますが。
本作は続編が製作される予定らしいが、どうなることやら。
まだ書きたいことはあるけどまとまらないので今日はこのへんで。

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